案内板
「 栃木市指定文化財(指定第38号)
下野惣社(室の八嶋) しもつけそうじゃ むろのやしま 昭和43年2月26日指定
大神(おおみわ)神社は、今から1800年前、大和の大三輪(おおみわ)神社の分霊を奉祀し創立したと伝えられ、祭神は大物主命(おおものぬしのみこと)です。惣社は、平安時代、国府の長官が下野国中の神々にお参りするために大神神社の地に神々を勧請(かんじょう)し祀ったものです。また、この地は、けぶりたつ「室の八島」と呼ばれ、平安時代以来東国の歌枕として都まで聞こえた名所でした。幾多の歌人によって多くの歌が、残されています。
・煙たつ室のやしまにあらぬ身はこがれしことぞくやしかりける 大江匡房(おおえのまさふさ)
・いかでかはおもひありともしらすべきむろのやしまのけぶりならでは 藤原実方(ふじわらのさねかた)
・くるる夜は衛じのたく火をそれと見よむろのやしまも宮こならねば 藤原定家(ふじわらのていか)
・ながむればさびしくもあるか煙たつ室の八島の雪の下もえ 源実朝(みなもとのさねとも)
・東路の室の八島の秋のいろそれともわからぬ夕けふりかな 連歌師宗長(れんがしそうちょう)
・糸遊に結びつきたるけぶりかな 松尾芭蕉(まつおばしょう)