紗蘭広夢の俳句と街道歩き旅

二度目の東海道五十三次歩きと二度目の中山道六十九次歩きのブログを書いています。今、中断していますが、俳句も書いています。

安政遠足について

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「越智前社長のおちゃめ日記」より

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杉並木が途切れると旧街道の雰囲気を醸し出している古民家などが目立ちだします。杉並木の入り口付近にある給水塔の壁面に刀を背負った侍達が走っている図が描かれています。

この安政遠足(とおあし)之図は、安政2年(1855年)、安中城主板倉勝明が藩士の鍛錬のために、藩士96人に安中城門から碓氷峠にある熊野権現神社までの約28kmの距離を走らせたのが始まりの『安中藩安政遠足』の様子を描いたものです。走破時間や着順は昭和50年(1955年)に碓氷峠の茶屋で偶然発見された『安中御城内御諸士御遠足着帳』に記されてはいるものの、この安政遠足は走者に意義を持たせることが目的で開催されたもので、順位やタイムは重要視されていませんでした。ゴールした者には餅などが振る舞われた…と記録に残っています。この安政遠足は、日本におけるマラソンの発祥といわれ、安中城址には『安中藩安政遠足の碑』と『日本マラソン発祥の地』の石碑が建てられています。

また、昭和50年からは「安政遠足 侍マラソン」が毎年5月第2日曜日に開催されています。ランナー達は侍など昔ながらの格好に扮装して走るのだそうです。最近は、侍などの昔ながらの格好ではなく、思い思いの仮装で走るランナーが多いのだとか…。この日のスタートポイントだった安中市商工会館の入り口に今年の「安政遠足 侍マラソン」のポスターが貼られていました。

それにしても約28kmの距離を走らせて、ゴールが碓氷峠にある熊野権現神社ですか…。碓氷峠の標高は約960メートル。安中市役所の標高は海抜180メートルほどなので、780メートルを一気に駆け上がるわけです。ちなみに箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)の5区山登りの区間で駆け上がる国道1号線の最高点である箱根峠の標高は874メートル。ほぼ同じくらいの距離と高さを駆け上がるわけです。箱根駅伝との違いは舗装されていないまったくの山道を駆け上がること。そう思うと、この安中藩安政遠足、箱根駅伝名物の山登りの5区以上に過酷な“遠足”です。ちなみに、小学校などで行われた「遠足(えんそく)」の語源も、この安中藩安政遠足なのだそうです。

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