案内板
「 黑門前緑地〈旧高峰家·旧検事正官舎〉
この黒門前緑地は、平成七年(一九九五)まで、金沢地方検察庁検事 正官舎の敷地であったが、平成十三年(二〇〇一)、官舎の一部とその 土塀を廻らす屋敷構えを保存するとともに、金沢で育ち、アドレナリンや タカジアスターゼで有名な世界的化学者、高峰讓吉博士ゆかりの家屋を 移築し、公園として整備したものである。
【旧高峰家】
明治五年(一八七二)、加賀藩の御典医であった 讓吉の父、精一(せいいち)が建てた居宅の 一部で、書斎、茶室としても利用された離れに あたる。
当初、この地に近い梅本町(現大手町)の地に 建てられたが、昭和三九年(一九六四)に解体 され、この離れの部分のみが、その後、湯涌町に あった「江戸村」に移築された。この度、旧 建築地の大手町に近い、この地に再び復元、 移築されたものである。
【旧検事正官舎】
明治四三年(一九一○)に兼六園下に建て られたが、路面電車敷設による道路拡幅とともに 大正七年(一九一八)、現在地に移築された。 洋風下見板張りの応接間、格天井(こう てんじょう)の十畳座敷など、当時の「近代 和風建築」の特徴をよく示している。これら 接客に使われたと思われる部屋を保存し、 旧高峰家の離れとあわせて、一般に公開する ものである。
平成十三年八月
金沢市都市整備局緑と花の課 」