紗蘭広夢の俳句と街道歩き旅

二度目の東海道五十三次歩きと二度目の中山道六十九次歩きのブログを書いています。今、中断していますが、俳句も書いています。

一日一句 51

 
2012年

1118
海岸を流鏑馬の駆ける初冬や

コート着て祭り本部のアナウンサー

地平線まだやや赤く冬の月

1117
ステージのトリを務めて初冬や

舞台化粧落とし初冬の街に出る

1116
帰路電車窓いっぱいのすすきの穂

1115
深窓の白菊戸外に乗り出して

赤べべの子鳩怖がりて七五三

1114
新月にゴスペル歌ふ初冬や

師に贈る冬ベゴニアの想ひ出や

1113
登校の待ち合はせの子ら冬の朝

1112
白壁に紅き葉をつけ這ふアイビー

ツワブキの花に幾年去来する

小春日の海白き帆の往来す

小春日やウィンドサーファー帆を畳む

足長の影と歩きて小春日や

1111
秋の日のチャペルを染める華燭の宴

1110
東大の銀杏少し匂ひ初め

1109
初冬の夕焼け見つつ紗幕閉づ

初冬の陽をサンルームに閉じ込めて

1108
抜糸後をマスクで隠す初冬かな

欄干に大根を干す温泉郷

1107
朝の日の雲の暈着て冬立つ日

立冬や洗濯物をずらり干す

立冬や大手術となり親知らず

1106
秋深し社の銅屋根葺き替へる

社の屋根葺き替へる銅光る秋

1105
早朝の出勤そろそろコート欲し

仕事から帰る焼き芋お土産に

焼き芋のお返し種なし柿貰ひ

柿洗ひ丸かじりの実に種はなし

1104
管弦楽全国大会秋深し

コンクール終へ生徒らの秋深し

日常を過ごすテレビは山紅葉

イベントの稽古三昧秋深し

1103
楽器持つコンテストの子ら文化の日

秋のサラダ買って今宵の宿へ行く

1102
仕事疲れ背負ひて帰る秋深し

古都で皆降り車内空く秋深し

秋の味の幕の内買ひお土産に

週末の秋の夜ホルモン焼いてをり

1101
早朝の出勤そろそろ冷え始め

秋深し夕暮れの空しみじみと

1031
やや急ぐ気持ちにえのころ草揺れる

すっと立つ秋明菊の気高さや

薄の穂揺れて線路の岐れ行く

魔女になるアメリカの少女ハロウィン

何もせぬ南瓜嫌ひのハロウィン

1030
洗濯しアイロンかけて秋日差し

たっぷりの無花果タルトにかぶりつく

望月の古へのまま空にあり

事故の夜も望月は閑か空にあり

1029
秋晴れや鎌倉駅で皆降りる

仕事終え晴れ晴れ見上ぐ秋の空

仕事終え秋明菊に会ひに行く

コスモスを門に可愛くしつらへて

茜雲対峙してをり小望月

1028
ゴスペルの響くスタジオ秋深し

先々で南瓜が笑ふハロウィン

芝居跳ね土砂降りの街秋寒し

1027
ドラキュラの服着た子どもハロウィン

蟋蟀の代はる代はるに鳴く線路

1026
四方から雲にかしづかれ昼の月

昼の月真ん中にして雲生まる

四方から雲寄せてくる昼の月

ざっくりとトングで南瓜サラダ盛る

1025
遮断機の降りて秋の風寒し

居酒屋へ誘はれ迷ふ秋深し

芋に菊肴に一献傾けて

1024
新開店並んで買ひて秋深し

レジ並ぶ翁は柿を四つ買ふ

1023
上弦の月低くをり秋寒し

我一人蟋蟀鳴くを聞いてをり

建物の狭間に一人鳴く虫や

裏道の車やり過ごし秋寒し

秋寒し今宵は星も美しき

1022
転職し秋のサラダを売ってをり

まだ慣れぬ仕事帰りや秋深し

出勤の道凛と咲く秋明菊

秋晴れや仕事を終へて清々し

リーリーと虫踏ん張って風強し

1021
衣装着てステージで踊る秋祭り

焼きそばを食べるベンチの百日草

屋台村賑わふ声や秋祭り

舞台袖出番待つ顔秋祭り

1020
虫の音でその駅と知る停車駅

まだ落ちぬ銀杏少し匂ひけり

メトロ降り金木犀の街に出る

乙女らの声華やぎて秋深し

山積みの種無し柿やレジの前

ほろ酔いに夜風優しき秋深し

1019
今朝もまた金木犀を追ひかけて

物干しも楽しみとなり金木犀

歩道橋金木犀と昇り降り

夜走る人金木犀撒いて行く

おばけ顔かぼちゃのパイをひとかじり

 

 

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一日一句 目次 2
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