10月19日
今朝もまた金木犀を追ひかけて
1018
町中を金木犀が付いてくる
研修の朝百日草の咲く歩道
雨傘に金木犀の訪ね来る
10/17
竜胆も百花に混じり花束に
10/16
秋晴れや飛行機行きて音は後
金木犀香に包まれて物を干す
金木犀香りに来し方蘇る
来し方の蘇る香や金木犀
隙間から金木犀の香忍び寄る
闇に出て金木犀に迎へられ
10/15
歩むほど金木犀の中に入る
蔵出し茶今日はいよいよ封を切る
二階まで金木犀の訪ね来る
金木犀さらに濃くなりやがて消え
10/14
会議終へ金木犀の香に別れ
赤い羽根鞄に挿してとりあえず
赤い羽根そっと鞄に挿しておく
10/13
朝一番金木犀の香に出会ふ
秋晴れや子らはしゃぎ行く声光る
宵闇を行く金木犀に抱かれて
10/12
秋深し神社に一礼する老女
10/11
金木犀の香に励まされ面接日
虫の音を聞きつつ履歴書書く夜中
少女らのお喋り通る金木犀
金木犀散歩の犬の愛らしき
日短し寝ぐらに集ふ鳥騒ぎ
10/10
秋風や鞄を置いて上着着る
赤い羽根募金の声の揃いけり
10/9
腰痛の再発秋の風が吹く
母が焼く秋刀魚は丸い皿に載る
丸皿に収まりきらぬ秋刀魚かな
10/8
うっそうと萩のトンネル掻き分けて
秋風や襖の龍王睨み付け
龍王のまなこぎょろりと秋の風
お抹茶に添へて秋の草一輪
お抹茶に添へて一輪秋の草
古都の茶屋お盆に一輪秋海棠
抹茶飲む生菓子の名は秋の山
萩こぼれ奥にひっそり地蔵尊
萩揺れてさらに奥にも萩揺れる
ひっそりと気高く白き彼岸花
10/7
秋風や茶席に並び一服す
水戸の梅菓子頂戴し秋の席
老公と助格像に秋の雨
黒鳥の湖畔を歩く秋の旅
観光客慣れぬ茶席に月の趣向
こぼれ萩揺らして歩く偕楽園
土産物買ひて安堵し秋の空
茨城の秋の旅路に満足し
土手道に邯鄲の鳴く茨城路
秋桜やがんばっぺ茨城幟揺れ
10/6
秋の雲従へ港ゆったりと
復興をしつつ港の鰯雲
鴎飛ぶ秋の港に人集ひ
秋風やローカル線待つ湊駅
秋風や駅の名物猫を撮る
秋桜や地図を片手に町散歩
彼岸花ローカル線の老女待つ
10/5
秋暑し携帯忘れて舞ひ戻る
苛ついた足取り緩む金木犀
日々追はれ忘れても来る金木犀
忙しき日々を訪ふ金木犀
急ぎ来て飛び乗る電車秋扇
10/4
忍び寄る秋の日差しの足を刺す
獅子の如前に駆け行く秋の雲
10/3
秋雨や部屋で映画を鑑賞し
秋雨や傘に宿りて粒光る
秋雨や傘に流れる粒光り
10/2
秋風を入れて映画を鑑賞す
一本の秋刀魚娘とつつき合ふ
野鳥鳴きふと背を押され秋の午後
10/1
野分き過ぎ快晴の道みな急ぐ
野分き過ぎ快晴のまま暮れゆけり
赤い羽根募金の背中をすり抜ける
上等の仕立てのスーツに赤い羽根
嵐過ぎ今宵は千の虫が鳴く
十六夜を待ちてカーテン開けておく
十六夜やぼかした墨絵の雲を背に
十六夜や墨絵のぼかしを従えて
十六夜やジョギングの人もう見えず
9/30
中秋や老若踊るミュージカル
台風や帰宅を急ぐ足掬ふ
旅先の雨月ひとりで晩酌す
旅の宿一人で晩酌雨月かな
中秋の今宵雨月や部屋籠り
中秋の雨月ひとりで部屋籠り
台風を押して娘に鍵届け
9/29
台風の予報海釣り諦める
交差点一斉に渡る秋日傘
一歩ずつ鈴虫の棲家へと踏み込みて
千の虫背に鈴虫のアリアかな
9/28
縁石を跨ぐ老女の秋日傘
期日過ぎ納税に行く秋暑し
秋晴れや散歩の翁空眺め
出遭ふ角互いに譲る秋の午後
朝毎にまた花増えて彼岸花
9/27
秋空の雲移ろひて笑み消える
秋空の雲移ろひて面変へる
表情の移ろひゆきて秋の雲
柔らかき秋の空気に包まれる
秋風やたい焼きの屋台人並び
9/26
軍港に鰯雲立ち鴎飛び
秋晴れや振り替え輸送の電車混み
清々とした秋の空雲紅く
鈴虫はやはり鈴虫鈴が鳴る
秋薔薇の花大きく揺れ葉は揺れず
9/25
彼岸花薄桃色に生ひ出づる
9/24
大雨に紛れ蟋蟀すすり泣く
9/23
秋雨や突然の訃報舞ひ込みて
9/22
鈍色の空広がりて今朝の秋
線香の香る道行く秋彼岸
9/21
いさかいをして口つぐむ秋の朝
久々に従兄訪ふ秋暑し
9/20
店頭の花物色する秋日傘
ヘリコプター遠くなりゆく秋の空
9/19
谷戸深く行けば鈴虫さらに濃く
9/18
張り上げて何生き急ぐキリギリス
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