紗蘭広夢の俳句と街道歩き旅

二度目の東海道五十三次歩きと二度目の中山道六十九次歩きのブログを書いています。今、中断していますが、俳句も書いています。

一日一句 50

2012年
10月19日
今朝もまた金木犀を追ひかけて

1018
町中を金木犀が付いてくる

研修の朝百日草の咲く歩道

雨傘に金木犀の訪ね来る

10/17
竜胆も百花に混じり花束に

10/16
秋晴れや飛行機行きて音は後

金木犀香に包まれて物を干す

金木犀香りに来し方蘇る

来し方の蘇る香や金木犀

隙間から金木犀の香忍び寄る

闇に出て金木犀に迎へられ

10/15
歩むほど金木犀の中に入る

蔵出し茶今日はいよいよ封を切る

二階まで金木犀の訪ね来る

金木犀さらに濃くなりやがて消え

10/14
会議終へ金木犀の香に別れ

赤い羽根鞄に挿してとりあえず

赤い羽根そっと鞄に挿しておく

10/13
朝一番金木犀の香に出会ふ

秋晴れや子らはしゃぎ行く声光る

宵闇を行く金木犀に抱かれて

10/12
秋深し神社に一礼する老女

10/11
金木犀の香に励まされ面接日

虫の音を聞きつつ履歴書書く夜中

少女らのお喋り通る金木犀

金木犀散歩の犬の愛らしき

日短し寝ぐらに集ふ鳥騒ぎ

10/10
秋風や鞄を置いて上着着る

赤い羽根募金の声の揃いけり

10/9
腰痛の再発秋の風が吹く

母が焼く秋刀魚は丸い皿に載る

丸皿に収まりきらぬ秋刀魚かな

10/8
うっそうと萩のトンネル掻き分けて

秋風や襖の龍王睨み付け

龍王のまなこぎょろりと秋の風

お抹茶に添へて秋の草一輪

お抹茶に添へて一輪秋の草

古都の茶屋お盆に一輪秋海棠

抹茶飲む生菓子の名は秋の山

萩こぼれ奥にひっそり地蔵尊

萩揺れてさらに奥にも萩揺れる

ひっそりと気高く白き彼岸花

10/7
秋風や茶席に並び一服す

水戸の梅菓子頂戴し秋の席

老公と助格像に秋の雨

黒鳥の湖畔を歩く秋の旅

観光客慣れぬ茶席に月の趣向

こぼれ萩揺らして歩く偕楽園

土産物買ひて安堵し秋の空

茨城の秋の旅路に満足し

土手道に邯鄲の鳴く茨城路

秋桜やがんばっぺ茨城幟揺れ

10/6
秋の雲従へ港ゆったりと

復興をしつつ港の鰯雲

鴎飛ぶ秋の港に人集ひ

秋風やローカル線待つ湊駅

秋風や駅の名物猫を撮る

秋桜や地図を片手に町散歩

彼岸花ローカル線の老女待つ

10/5
秋暑し携帯忘れて舞ひ戻る

苛ついた足取り緩む金木犀

日々追はれ忘れても来る金木犀

忙しき日々を訪ふ金木犀

急ぎ来て飛び乗る電車秋扇

10/4
忍び寄る秋の日差しの足を刺す

獅子の如前に駆け行く秋の雲

10/3
秋雨や部屋で映画を鑑賞し

秋雨や傘に宿りて粒光る

秋雨や傘に流れる粒光り

10/2
秋風を入れて映画を鑑賞す

一本の秋刀魚娘とつつき合ふ

野鳥鳴きふと背を押され秋の午後

10/1
野分き過ぎ快晴の道みな急ぐ

野分き過ぎ快晴のまま暮れゆけり

赤い羽根募金の背中をすり抜ける

上等の仕立てのスーツに赤い羽根

嵐過ぎ今宵は千の虫が鳴く

十六夜を待ちてカーテン開けておく

十六夜やぼかした墨絵の雲を背に

十六夜や墨絵のぼかしを従えて

十六夜やジョギングの人もう見えず

9/30
中秋や老若踊るミュージカル

台風や帰宅を急ぐ足掬ふ

旅先の雨月ひとりで晩酌す

旅の宿一人で晩酌雨月かな

中秋の今宵雨月や部屋籠り

中秋の雨月ひとりで部屋籠り

台風を押して娘に鍵届け

9/29
台風の予報海釣り諦める

交差点一斉に渡る秋日傘

一歩ずつ鈴虫の棲家へと踏み込みて

千の虫背に鈴虫のアリアかな

9/28
縁石を跨ぐ老女の秋日傘

期日過ぎ納税に行く秋暑し

秋晴れや散歩の翁空眺め

出遭ふ角互いに譲る秋の午後

朝毎にまた花増えて彼岸花

9/27
秋空の雲移ろひて笑み消える

秋空の雲移ろひて面変へる

表情の移ろひゆきて秋の雲

柔らかき秋の空気に包まれる

秋風やたい焼きの屋台人並び

9/26
軍港に鰯雲立ち鴎飛び

秋晴れや振り替え輸送の電車混み

清々とした秋の空雲紅く

鈴虫はやはり鈴虫鈴が鳴る

秋薔薇の花大きく揺れ葉は揺れず

9/25
彼岸花薄桃色に生ひ出づる

9/24
大雨に紛れ蟋蟀すすり泣く

9/23
秋雨や突然の訃報舞ひ込みて

9/22
鈍色の空広がりて今朝の秋

線香の香る道行く秋彼岸

9/21
いさかいをして口つぐむ秋の朝

久々に従兄訪ふ秋暑し

9/20
店頭の花物色する秋日傘

ヘリコプター遠くなりゆく秋の空

9/19
谷戸深く行けば鈴虫さらに濃く

9/18
張り上げて何生き急ぐキリギリス