紗蘭広夢の俳句と街道歩き旅

二度目の東海道五十三次歩きと二度目の中山道六十九次歩きのブログを書いています。今、中断していますが、俳句も書いています。

一日一句 49

2012年
9/17
秋団扇休まずパソコン打ってをり

秋風や慣れぬパソコン打ってをり

秋風や太鼓演奏聞く帰り

もんじゃ焼く娘の頼もしく秋の夜

帰宅して灯り点けずに虫を聞く

また来年約束しつつ夏は逝く

9/16
秋暑し虹橋渡るゆりかもめ

秋暑し足湯の長き石の道

湯疲れや帰り電車に西陽射す

9/15
駅前の待ち合はせの群れ秋日傘

ギャラリーの床の間彩る千草かな

ギャラリーを出て雨の匂ひ秋日傘

9/14
母の掃く箒の音や秋の朝

晴れ曇り日と雲の興亡秋暑し

巨大梨割り秋の訪れ味わいて

穴子焼かれて胡瓜の上に載り

秋トマト二重にこんもり盛られけり

9/13
邯鄲や奥には暗き社あり

つく法師西陽にデジャブ月日逝く

夕焼けの下で蟋蟀鳴き出す

とっぷりと暮れて虫の音沸き出す

9/12
こぼれ葛ありて頭上に花探す

蝉の声さへ涼しげな秋の朝

秋風を迎へて今日も始まりぬ

登校の子らのざわめき秋の蝉

お嬢様高校の下校秋日傘

準備する路地の酒場に西陽射す

9/11
探し物探しあぐねて秋暑し

今年また世界が祈る日秋暑し

今年また世界が祈る日九一一

9/10
列車遅延の車内放送秋暑し

秋晴れや白く微笑む観音像

種重く秋の向日葵うなだれる

旅終へていつもの暮らし虫の声

9/9
目覚ましを止めてたゆたふつく法師

秋暑し土佐の土産を分配す

秋暑し腐った野菜始末する

約束をちょっと後悔秋日傘

瑠璃蝶をずっと目で追ふ路地の垣

重陽や思はぬ愛しき友と遇ふ

秋日傘足首か細き乙女なり

9/8
山行けば霧の生まれる白き谷

山霧や遠近の樹の濃き薄き

土佐の山霧のカルスト牛歩む

カルストの霧にぬぼっと風車立つ

カルストの霧にひっそり秋薊

上流に鮎釣る秋の四万十や

四万十の源流の里百合が咲く

源流へ向かふ畑に長き茄子

四万十の源流二度目の稲実る

二期作の稲の実リアルな案山子立つ

源流へ向かふ谷間に烏瓜

四万十の源流訪ね百合の道

初秋や源流点の不入山(いらずやま)

源流や巷の残暑を忘れけり

源流の里やコスモス笑ひかけ

源流の里や手を振る秋の子ら

源流の里後にして秋桜

源流の里や紅白萩満開

初秋や田舎ちらしの甘き味

土佐空港土佐の秋鯖賞味する

雄大な秋の夕暮れ土佐空港

9/7
秋晴れや気持ち新たにバスが出る

屋形船の窓を訪ふ赤トンボ

四万十の船に降り来る秋の蝉

四万十の川面を行き来する蜻蛉

四万十や声を限りの秋の蝉

屋形船降り口で出迎へ銀ヤンマ

赤黄色カンナ並びてツンと立ち

藁で焼く戻り鰹や潮の味

雲の上棚田見下ろす秋アカネ

右左バスを見下ろす秋の百合

カーブ毎百日紅咲く山の道

9/6
豪快に戻り鰹や土佐の市

山里や福禄寿の毎赤カンナ

とんぼうの群れて里山暮れゆきぬ

秋の日の落ち四万十川海に入る

日も暮れて秋風の吹く屋形船

夕凪の四万十川や秋めきて

とっぷりと暮れて初秋の屋形船

秋の夜や網白く光る火振り漁

9/5
秋風を窓から入れてペンを執る

つく法師急かされる思ひ昼下がり

つく法師書き損じ葉書二枚あり

妖艶な香に誘われて桃を割る

つく法師ひとしきり鳴くを聞いてをり

テレビでは急転の音秋の午後

切れ切れに相談の声つく法師

夕暮れのねっとりを裂くつく法師

9/4
途中下車して残暑の街踏み出す

日も落ちてすぐ虫の声湧き出づる

秋茄子の艶やかなるを買ひて来る

買ひ物の荷は秋物に一新し

秋物の野菜魚を買ふて来る

夏物の一掃の隣秋の服

次々と摘まみ葡萄の芯残りけり

9/3
雨の予報結局降らず秋の雲

みんみんや最後の独唱朗々と

9/2
遠雷や水しぶき上げ電車来る

遠雷や雨音のまた強くなり

遠雷や水溜まり避け駅歩く

遠雷やホームに降り込む雨を避け

残暑避けミラーボールの回る地下

残暑の夜怖い話に笑ふ落ち

9/1
夕立やカフェ満員の土曜午後

夕立や世を驚かせ雲切れる

夕立や褒められもせず気働き

夕立や褒めてももらへぬ気働き

8/31
ラジオ体操今日までの子ら夏が逝く

眠られぬ一夜逡巡つく法師

猛暑暮れにわかに虫の鳴き初めぬ

八月の晦日俄に虫鳴きぬ

八月も暮れて闇夜に秋の声

8/30
寝苦しき深夜音無き闇に居る

網戸越しとんぼうの飛ぶ朝の窓

とんぼうのすれすれに飛ぶ朝の窓

残暑の陽射し忍び寄る朝の窓

赤い背の痛々しさや夏のスパ

夏らしき夏日と皆言ふレッスン日

8/29
洗濯を干す首に巻く冷えクロス

翻るカーテンと格闘残暑かな

ふっくらと箱に六個の桃笑ひ

8/28
久々の熟睡から覚めつく法師

歯医者への道重き足風は秋

歯医者への足取り重し秋の風

駅毎に鳴くつく法師眠き午後

8/27
逝く夏やミニ収蔵展に深みあり

夏野菜とチキンで迷ふ老舗カレー

ランチカレー食べる窓辺を日傘行く

8/26
夏恒例24時間釘付けに

チャリティのTシャツ選ぶ晩夏かな

公演の清算終へて夏逝きぬ

リハビリの進まぬ腕も日焼けして

気に入りのパン屋閉まりて夏休み

チャリティの晩夏涙と鼻垂れる

8/25
右の空から左の空から蝉しぐれ

8/24
出立の荷を作る窓蝉しぐれ

復興の工事に負けじと蝉しぐれ

福島や入道雲に囲われる

一列に向日葵東を向いてをり

帰り道日傘とじながら主婦二人

ホームに立つ人居所なき西日かな

来る人も見えずくらくら西日かな

容赦なき西日に居所なく歩く

この西日収まるまでに餉を作る

西日受けうんざりする人運ぶバス

8/23
冷房の暗闇話題の映画観る

団体の子等映画観る夏休み

骨折れて旅先で日傘求めけり

炎帝放射能避け遊戯場

8/22
飯坂の旧邸に飛ぶ赤蜻蛉

飯坂の猛暑を癒す足湯かな

旧邸の芝生の庭園蜻蛉飛ぶ

飯坂は負けないと幟槿咲く

放射能風評被害や向日葵咲く

向日葵や風評被害に負けぬ街

離れてはまたその花に来る秋蝶

八方に出て凌霄花見栄を切る

無花果のこっそり赤くなり始め

炎暑の庭楓葉先が赤くなり

二年目の夏まだ震災の影響が

旅先の散歩疲れや大昼寝

8/21
つく法師聞きつつ朝の仕度する

昨年の夏帽子少しひしゃげをり

つく法師逝く瑠璃の衣玻璃の羽根

年寄に日影を譲る帰り道

駅前で待つ人日影に群がりて

頼まれて買ふアイスの籠レジを待つ

飯坂や芭蕉に逢ひし夏の旅

8/20
不思議な夢目覚めて朝の蝉しぐれ

投函に猛暑の中へいざ行かん

午後の風かき氷の幟揺れ

コンビニの冷え外に出れば酷暑かな

自転車の炎暑の空気掻きて漕ぐ