紗蘭広夢の俳句と街道歩き旅

二度目の東海道五十三次歩きと二度目の中山道六十九次歩きのブログを書いています。今、中断していますが、俳句も書いています。

一日一句 40

 

2011年

12/3
暖房を切ってダンスの白熱し

稽古場にブーツの並ぶ体験日

稽古場から紅葉黄葉のグラデーション

12/2
銀杏の葉子ら一斉に空へ投げ

子ら放つ銀杏シャワーや平和祈る

原爆のドーム銀杏に彩られ

黙祷の生徒ら銀杏の木の下で

師走の街離れ平和の黙想す

12/1
宮島へ出航を待つ冬の波

暖房の店で大振り穴子

宮島の冬繁盛の大杓子

紅葉谷鹿をモデルに撮影会

挟む本はみ出すメープル大紅葉

子の泣きて鹿の駆け寄る紅葉谷

これもまた見事と紅葉の品定め

綾錦紅葉の谷に時忘れ

口々に称賛の声紅葉狩り

葉を拾ひ写真撮り紅葉狩り尽くす

吹き溜まる紅葉に杖突き老夫婦

赤き葉に赤き傘差し紅葉茶屋

乳母車紅葉の谷で一休み

紅葉谷さらに奥へと道別れ

貸し切りのロープウェイ紅葉の山上る

赤き実のしゃらしゃら揺れて山中腹

紅葉山眼下に見下ろしロープウェイ

宮島の海広がりて紅葉山

紅葉山ロープウェイの数珠繋ぎ

瀬戸内の島ぽっかりと紅葉山

牡蛎筏見下ろす紅葉の山に上る

ひとひらの紅葉羊歯の葉に宿る

消えぬ火は恋人の聖地紅葉舞ふ

師走とは言へ信仰の山汗かきて

紅葉谷ロープウェイの揺れてをり

瀬戸の冬白き航跡長々と

夕暮れて紅葉の茶屋も店仕舞い

焼き牡蛎で一杯今日の吾労ふ

電飾の道を旧知の友とゆく

幻霜豚しゃぶしゃぶ冬野菜入れて

11/30
年賀状母と絵柄を選びたり

霜月の三十日小さな旅に立つ

11/29
露天風呂灯りの点り日短し

表示なき薬湯の匂ひ生姜の湯

ブランド品売り流行るニュース年の暮れ

お馴染みの整体院閉店初冬や

11/28
稽古着のままコート着て移動する

11/27
山茶花や車ぎりぎりすれ違ふ

知る人を追ひ越さず行く冬の午後

11/26
赤レンガ倉庫で踊る初冬や

歩道橋銀杏黄葉を見下ろして

行く道も振り返る道も黄葉かな

初冬や大道芸は見ず通る

劇場の街大根の重ね売り

11/25
小春日やアイロン掛けで日を過ごし

小春日や病院帰りにランチする

小春日やプチ里帰りの娘とランチ

小春日やランチにデザート奮発し

小春日や神社のフリマに寄ってみる

11/24
木枯しや救急車の音鳴り響く

木枯しや切れ切れサックス鳴いてをり

木枯しや誰ぞ吹くサックス切れ切れに

木枯しやかすかにサックス鳴ってをり

木枯しや下校児童ら足長し

木枯しや赤ちゃんふっくら包まれて

11/23
渋抜いた柿を並べて夕の膳

のったりとみかんの皮の蛸の如

蛸足にみかんの皮ののっぺりと

携帯の写真に収まる紅葉山

11/22
檜風呂腰痛癒す初冬かな

いい夫婦の日とや夫出張

初冬の凝りを癒しに整体へ

カイロ貼る今朝一番の寒さとや

11/21
初冬の半島浦毎変る空

時雨るるや隣の空は茜雲

11/20
劇場の白壁ポインセチア映え

小春日やこじゃれた街で帽子買ひ

11/19
コート脱ぎ踊り子誕生大楽屋

出番待つ舞茸おにぎり頬張りて

歌ひ踊り夢の舞台や文化祭

舞台化粧落とし初冬の街に出る

11/18
山茶花のはらりと散るを踏まず行く

初冬やリハーサル終へ明日本番

11/17
小春日や繋がれし犬作り物

チーズも楽しむボジョレー解禁

ボジョレーの解禁珍味も注文し

ボジョレーの解禁グラスの深き赤

ボジョレーの解禁今年は深き味

11/16
小春日や高くトンビの転回す

山茶花を見上げて夜の帰り道

夜のバス過ぎて山茶花咲いてをり

11/15
初冬や腰痛癒す八漢湯

初冬や腰痛じっくり湯に浸す

腰痛を癒す初冬のサウナかな

星見えぬ空や初冬の露天風呂

11/14
時雨るるや慣れぬルートのバスに乗る

時雨るるや新品の傘薄紅

11/13
本番前稽古熱入る初冬や

霜月や舞台稽古に熱入る

小春日や舞台稽古に熱入る

稽古終へ茸のピザに芋焼酎

11/12
稽古終へ皆で学祭くり出せり

稽古場の窓からの木々紅葉初め

学祭の出店芋の菓子を売り

学祭の出店手編みの帽子売り

秋の夜や学生の劇鑑賞し

学祭の観劇の感想切りもなく

11/11
有るもので済ませて籠る初時雨

腰痛を風呂にて癒す初時雨

衣装作り終へ腰痛湯で癒す

11/10
腰痛にコルセットを買ふ初冬や

日光の紅葉便りやミシン踏む

11/9
頼まれし物売り切れて初冬や

マフラーを巻きゴスペルの練習へ

11/8
外に出でて日差し柔らか冬立つ日

立冬や芝居仲間の便り来る

立冬や今年異例の暖かさ

11/7
ダンスして飲んで帰りの秋の雨

小春日の今夜とうとう傘を買ふ

小春日や元横綱の訃報聞く

11/6
小春日やカフェのテラスに人集ひ

特大のバーガー頬張る小春日や

11/5
小春日や小さき子連れの多き街

稽古場の窓木々少し紅葉する

その名あり松輪の秋鯖うまき酒

11/4
踏み切りを渡る額に秋日差し

家々のアンテナ黒く天高し

天高し眼鏡に一筋光あり

秋深しそぞろ歩きの老夫婦

秋服を選ぶ八十路の姉妹かな

通院の秋服選ぶ八十路姉妹

歩道橋来し方行く道天高し

シャッター音響く車窓の天高し

航跡のやがて薄れて天高し

秋日差し背中に受けて八漢湯

人生の喜び切り取り秋のスパ

11/3
イベントにて歌ひ踊る文化の日

心地よき歌の調べや文化の日

11/2
煎り銀杏ほっこり和む酒の友

11/1
11月の声と共にクリスマスソング

霜月の朔売り場はクリスマス

1031
泥遊びの子と挨拶秋の道

秋色の山映す池母と来て

ハロウィン買ひ物おまけの菓子を食ふ

紅葉する山映す池母と来て

1030
劇場を出て秋雨の頬濡らす

1029
寺町は焚き火の匂ひ夕まぐれ

道暗し心細げな草ひばり

1028
見る頁眩し車窓の秋日差し

遠足の子ら赤帽子秋うらら

秋草の伸びる歩道を下り行く

坂道の上り下りや秋日差し

落ち柿を避け下り行く急な坂

題材は事実の芝居秋深し

車行き揺れるエンゼルトランペット

酒場街まだ目覚めずをり秋の夕

1027
道向こうから名前呼ばれて秋深し

イベントの多さよ秋のスケジュール

花落ちてそろそろ名残の金木犀

1026
ワークショップ帰りに飲みに秋深し

ビルを出て日の短さや急ぎ足

1025
行く手から我にめがけて鰯雲

天高し靴紐きゅっと結びつつ

老紳士ゆるりと鰯雲見上げ

秋の川雲を映して流れゆく

根元からじわじわ染まる鰯雲

秋色の土手の上京急走り抜け

1024
幼児らの帰り来る道日短し

秋夜長夜更かしをして寝坊して

夜の道煮魚焼き芋夕げの香

一日を無駄にした悔い日短し

1023
稽古場の窓鏡となり日短し

千の虫鳴く窓辺にてワード打つ

10/22
秋雨を避け一列に露天風呂

露天風呂躑躅紅葉眺めけり

温泉の楽しみ茸丼を待つ

10/21
天気予報上着を持ちて秋の旅

地下隧道突っ走る秋の旅

露天風呂じっくり癒す秋の旅

上州の旅舞茸の天ぷらや

味噌おでん上州の味秋の旅

10/20
美容院至福の時や秋陽射し

暗き道導くような草ひばり

10/19
背の疲れ浸して秋の露天風呂

吐く息の長さよ秋の露天風呂

足曲げて伸ばして秋の露天風呂

やや寒やゆっくり癒す露天風呂

10/18
秋の蝉一頻り鳴き闇に消え

10/17
パソコンやレッスン疲れに秋優し

コンビニに柿並ぶのは初めてか

パソコン打ち疲れに今宵も秋優し

10/16
人生を運ぶメトロや秋深し

お着物のご婦人多し秋日和

朝使ふ傘邪魔になり天高し

10/15
秋雨やカフェにて一人時を待つ

夕食は茸と秋野菜たっぷり

10/14
装いの個人差ありて秋深し

観劇の興奮覚めず秋の雨

10/13
月まろく稽古帰りの空さやか

月さやか見送りの人仔犬連れ

十六夜や見送りの人仔犬連れ

待ち合はす改札口や月さやか

改札を出る人の群れ月さやか

十六夜や稽古帰りの道静か

10/12
秋野菜並べ無人売り開店す

足裏に秋風が入るヨガの時間

ヨガの呼吸鼻に秋風吸い込まれ

瞑想の曲秋風のすり抜けて

近道や桜落ち葉を踏みてゆく

ヨガ瞑想悟りは遠く秋深し

秋深し悟りは遠くヨガの呼吸

テラス席南瓜提灯揺れてをり

秋蝶の風にふうわり揺られをり

無人売り今日は南瓜の四等分

秋薔薇や一本凛と立ちてをり

久々の友と出会ひて秋深し

白鷺のひっそり立ちて川静か

秋風や黒猫我を避けてゆく

裏路地の店秋鰹に舌鼓

10/11
斧高く蟷螂我を威嚇せり

挑み来る蟷螂我に鎌を振る

鎌振りて三倍となる蟷螂や

10/10
老いし母の耳に聞こえず千の虫

秋野菜溢れランチはイタリアン

体育の日や健康に感謝する

体育の日ダンスの汗で締めくくる

10-9
金木犀花一斉に散りし朝

穏やかな秋の日差しよ日々生きる

鈴虫や靴音しんと染みる夜

秋深し震災後閉店早くなり

連休のベンチの孤独秋深し

10/8
夜更かしの夜長昼間はうとうとと

集団に巻き込まれ金木犀の道

金木犀の道集団に呑み込まれ

10/7
コスモスの片方に伏して画廊あり

コスモスの傾く先に画廊あり

秋の具を入れて御膳の楽しかり

昼御膳小さき松茸串刺しに

松茸と銀杏串に刺さりをり

秋の具をふんだんに使ひそば御膳

金木犀下に古新聞積まれをり

ゴミ収集まだ来ず金木犀香り

10/6
パソコンを打つ遠くから秋の声

静かなる部屋にも金木犀香り

この家に住む喜びよ虫の庭

鈴虫や心の底から澄みわたり

乱れ鳴く虫虫の声夜をなべて

10/5
雨の日も金木犀はよく香り

金木犀咲く日こんなに寒いとは

秋雨や傘避けるのは我ばかり

実の形残す栗餡パン和む

魂の叫び受け止め秋深し

10/4
橋下の船にも生活秋深し

橋渡りまたその先も虫の町

石鹸の泡柔らかし秋のスパ

鏡やや曇りて秋のスパ静か

日短しほの明かく浮く露天風呂

星見えぬ秋の露天風呂閑か

秋深し昔ながらの宝寿の湯


 

 

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一日一句 目次 2
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