案内板
「 弥生通りから出土した大石について
この石のいわれ ──平成22年2月、茅野駅西口(駅前)土地区画整理事業工事中、弥生通りの地下3メートルの地点から思いもよらぬ巨大な球状岩石が出土した。工事の障害物として破壊、除去されようとしたが、丸い巨石であることに気づき、慎重に掘り出した。
古来、私達の先祖は磐座(いわくら)信仰をし、地上に鎮座する大石に神の降臨を意識してきた。悠々の時を経た巨大岩石が、突然、地上に出現したことは単なる偶然とは思えない。 我々を守る神の磐座であると信じ、シンボルとして、駅前縄文公園隣接に永久保存することとした。
学術的由来 ── この球状の大石はその成分の構成から、『斜方輝石単射輝石安山岩』と呼ばれる岩石で、今から約12~13万年前に北八ヶ岳の火山活動によって噴出した溶岩が、蓼科高原ゴルフ場周辺の台地を構成した『糸萱溶岩』の一部であり、流出時の成分が縞状に配列した流理構造も見られるところから、溶岩流の先端部分の岩石と推測される。
また、全体的に多孔質で摩耗度が高いことから、長い年月の間に渋川・上川の度重なる洪水によって、ほぼ球状に削られ、茅野市の台地に堆積していたものと考えられる。