紗蘭広夢の俳句と街道歩き旅

二度目の東海道五十三次歩きと二度目の中山道六十九次歩きのブログを書いています。今、中断していますが、俳句も書いています。

坂本宿 元旅籠「つたや」(若山牧水宿泊の宿)

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案内板
若山牧水宿泊の『つたや』

碓氷峠アプト式鉄道が開通してから十五年後の明治四十一年ごろになると、繁栄を極めた坂本宿もすっかり見る影を失い寂れてしまった。
この年の八月六日、牧水は軽井沢に遊んでから碓氷峠を超えて坂本に宿をとろうとした。ただ一軒残っている宿屋『つたや』に無理に頼んで泊めてもらうことにした。
寝についても暑さで寝つかれず焼酎を求めに出月下の石ころ道を歩きながらふと耳にした糸繰り唄に一層の寂寥感を覚え口をついて出たのが次の歌である。

秋風や 碓氷のふもと 荒れ寂し
坂本の宿の 糸繰りの唄 」