紗蘭広夢の俳句と街道歩き旅

二度目の東海道五十三次歩きと二度目の中山道六十九次歩きのブログを書いています。今、中断していますが、俳句も書いています。

一日一句 61

2013年

9/20
公園で歌ふ人聴く人十六夜

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開場を待つ間チキン月見食べ

チキンチーズ月見食べつつ芝居待つ

9/19
中秋や夢まで飲み込む姫子鯛

レッスンを終え名月の町に出る

名月や横断歩道を駆け渡り

名月を独り占めする歩道橋

暫くは名月と伴に帰る道

9/18
秋晴れや登校の子ら声高く

秋晴れや飛行機雲の伸びていく

9/17
まだ開く前淡き色彼岸花

秋晴れや嵐の後の掃き掃除

母の剥く梨食べながら談笑す

9/16
台風や誕生日の母と過ごしをり

台風やイケメン予報士拝顔し

野分き過ぎ薄紅の筋の雲

野分き過ぎ茜の雲の広がりて

9/15
ピカピカのダンディな奴新サンマ

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ギラギラの日差し台風近づけり

9/14
久々の劇団稽古秋の午後

秋の夕稽古帰りの談笑や

稽古終みんなと別れ虫の駅

秋鯖でぐぐっと一杯稽古後

稽古終へ祭り太鼓の響く街

9/13
まったりと秋の港の出船かな

飼ひ主と犬とよく似る秋の夕

鈴懸の匂ひ学府の懐かしく

赤と黒よく見かける日秋めきて

劇場を訪ね鈴虫に迎へられ

芝居跳ね鈴虫の街へと帰り行く

歩む毎鈴虫の声いや増して

9/12
コオロギのソロを聞きつつ電車待つ

長夜から目覚めケットが掛けられて

秋団扇ハタハタと鳴り電車待つ

秋日傘突き抜けて陽射し襲ひ来る

赤とんぼ羽光らせて乱れ飛ぶ

ブロックの隙間の草も秋色に

ゆっくりと黒猫横切る秋日差し

三日月に届かんばかり帰り道

9/11
とりどりのリュックが歩く秋の午後

長月の歌稽古はやクリスマス

さわさわと静かに語る秋の蝉

9/10
でらでらの暑さと終息雨上がり

鈴虫やカフェのカップル横目で見

虫時雨夕べの夢は幻燈夜

雨音に混じる虫の音しみじみと

9/9
踏みしだく秋草どうやら道違へ

道迷ひ嘲るようにつく法師

蜘蛛の巣に頭突っ込み葛の散る

秋野出て身嗜み正し靴を拭く

潮の香や桜えびの街秋の風

東海道歩き懐かし由比の秋

港にて美味き物食べ秋の風

秋風に吹かれゆったりバスを待つ

お買ひ得土産物買ひ秋の午後

秋風や来し方思ひバス待つ

秋風や今日の出来事反芻し

重陽や麗し歌声ライヴの夜

9/8
秋雨や東京五輪決定す

虫の声聞きつつ昔の録画見る

シャワー止め鈴虫の音に聞き惚れる

9/7
下町の緑のカーテン初秋や

下町の植栽の風情初秋や

とりどりの案山子が並ぶ寺の町

妖精に逢ひ落語で笑ふ秋のオフ

妖精踊り落語沸く初秋かな

秋風や谷中銀座の賑わひて

じっくりと落語で笑ふ夜長かな

9/6
気だるさを背負ひ引き摺りつく法師

一日の疲れ引き摺りつく法師

一山が我を出迎へ秋の蝉

きっぱりとアメリカ芙蓉の咲く陽射し

9/5
水溜まり映る景色や天高し

脇草の皆ゐ寝てをり野分き過ぐ

落雷や停電で開店危ぶまれ

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秋雨の上がり乙女の笑顔かな

無花果やほろり昔を思い出す

遠雷やレッスン帰りの足重く

稽古後の遠稲光や足重し

鈴虫の甲高くまた低くなり

9/4
秋日傘差したり閉じたり晴れ曇り

新学期朝顔の鉢往来す

制服の群れ降りてくる新学期

魚屋の生け簀ひしめき合ふ九月

9/3
秋日傘フェンスに囲まれ露地を行く

早咲きの赤コスモスの燃える朝

秋日傘ばったり出会ひ立ち話

陽射し強しとろろ葵咲くきっぱりと

ことの外残暑厳しくげんなりと

 

9/2
秋日傘差して朝から銀行へ

ゴミ出しで朝の挨拶つく法師

9/1
閉めきった窓開け九月の風入れる

朝刊を取る虫の声につく法師

収穫を待つ向日葵の如雨露かな

アメリカ人ばかりの車両秋の午後

8/31
夏草や駅の軌道に線路なく

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旅果てる来年も緑に会ひに行く

夏果てるスパで身心リラックス

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8/30
日と風と戦ふ残暑の日傘かな

ニッパチのジンクスそのまま残暑かな

電車遅延うんざりとする

白き姫残暑の午後の幻か

ジリジリと鳴く声つんざきつく法師

8/29
夏逝きぬ帰路は束の間二人旅

乗り換へのごとに冷房差がありて

冷房車トイレの有無は最重要

夏草にそろそろ薄の穂が混じり

晩夏の旅締めは会津の蕎麦きりり

炎天下グリーンの扉くぐり抜け

緑陰に抱かれひとり旅果てる

一人旅折り返しの窓深緑

夏草を追ひ包まれてひとり旅

逝く夏や各駅停車で乗り継いで

ひとり旅思ひ出は一生夏逝きぬ

逝く夏や最後の乗り換え安堵する

夏草を訪ね包まれひとり旅

8/28
点々と青田に白く鷺の飛ぶ

シャッターも心も裂ける残暑かな

復興の川辺に輝く萬画館

逝く夏や復興のシンボル萬画館

シャッター裂け電線歪む残暑かな

残暑の中復興のため動く町

夏草が瓦礫を隠す川辺かな

逝く夏や復興の町を守る者

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震災を乗り越えた松に風涼し

涼風を受けて松島湾巡り

涼風や芭蕉と同じ島巡る

松島や松渡る風夏果てる

松島や涼風松を渡り行く

牡蛎を食して松島船に乗る

涼風と波しぶき受け松島や

松島や奇岩に松風夏が逝く

松島や波除地蔵も涼風に

次々と島過ぎ行きて夏果つる

松島や涼風と共に島過ぎる

松島や涼風と島と過ぎゆけり

松島や涼風受けて島過ぎる

8/27
逝く夏やバスに振られて迷ひ道

若々しき芭蕉に出会ふ晩夏かな

大木に宿り蝉鳴く釈迦堂川

幸吉の墓に手合はせつく法師

崩れ落ち墓塁々と揚羽飛ぶ

夏銀杏見上げ芭蕉もかくとかや

涼風や芭蕉所縁の十念寺

幸吉とシロに参りてつく法師

逝く夏や旅はアドリブ哀と楽

喜怒哀楽旅はアドリブ夏が逝く

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青々と銀杏見上げて芭蕉もや

光と影名誉と責任思ふ夏

逝く夏やダブル円谷光と影

お疲れの芭蕉翁松の緑陰に

荷受け出し暑かったでせう労われ

夏空やあれは安達太良夫婦言ふ

夏空やあれは安達太良夫唱婦随

逝く夏や本当の空に会ひに来る

牛タンの焼ける匂ひよ夏が逝く

8/26
停車駅扉の外は蝉の国

皆無言蝉の声だけ響く駅

夏の田のどこまで続く平野かな

逝く夏の旅みちのくに降り立ちぬ

8/25
逝く夏や平和祈念し歌ふ夜

負けないで二十四時間走る人

晩酌の伴はモロヘイヤの浸し

8/24
駅前で踊る子どもら夏が逝く

逝く夏や駅前で踊る子どもたち

逝く夏や紅白の壇上踊る子ら

冷房の効きすぎた小屋芝居跳ね

公演の精算反省夏が逝く

夏野菜天婦羅分け合ふ反省会

逝く夏や一週間後の打ち上げす

逝く夏や精算も終り乾杯す

精算も終って乾杯夏が逝く

8/23
逝く夏や電車で聴くは次の舞台

逝く夏や競演紅と赤女王

夏の夜の夢もうひとつのあの国へ

乗り換えの駅虫の音に包まれて

8/22
お昼寝の夢はやっぱりあのパーティー

蝉時雨に負けずに歌の稽古する

お昼寝の夢から我を呼び返す

赤ちゃんもママとダンスの残暑かな

オールフリー飲みつつ虫の声を聞く

8/21
舞台終へ衣装など荷を待つ晩夏

舞台終へ思ひ出を描く残暑かな

枕持ち寝場所を探す残暑かな

8/20
朝からの暑さそれでも風は秋

気の遠くなる青い空残暑かな

気の遠くなる青い空蝉時雨

アパートの窓窓簾が並ぶ景

盆明けの通勤電車まだ空いて

盆明けや半身夢に置き去りに

盆明けやまだ半分ワンダーランド

盆明けの鈍る心を叱咤する

舞台終へいつの間にやらつく法師

舞台終へ帰る巷は虫の声

 

 

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一日一句 目次 2
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