2016年8月
8/1
出番待つ次の間の冷房ちょうどよく
汗のシャツ出掛ける度に着替へする
8/2
夏草の土手ふかふかと中山道
本陣の屋根より出づる夏の雲
竹担ぐ人と目が合ふ蝉時雨
花に癒され風に生き返る夏街道
雷雨の坂ペダル踏む子に挨拶され
8/3
雷雨の坂ペダル踏む子に挨拶され
青田から牛蛙鳴く美濃路かな
打ち水の匂ひ嬉しきだんご店
風船葛緑のカーテン伸びて行く
8/4
日傘差し日差しに耐へる誕生日
真夏日のささやかな休息誕生日
8/5
炎天下影から影へ忍者となる
昼寝の母目覚め一緒におやつする
8/6
仕事終へ麦酒飲みつつ五輪見る
街は沸く五輪開幕夜は花火
8/7
袋から出す朝採れの桃香り
立秋の風突き刺す陽をやわらげる
8/8
蝉時雨天皇の「お気持ち」聞きながら
残暑の日敢へてホットコーヒー飲む
8/9
砂浜を眺めつつ飲む生ビール
体操の金メダルに沸く夏の朝
8/10
じりじりと太刀魚炙る香りかな
夏の予定ぎっしりまずはビール飲む
8/11
迷ひ道細道木槿の花笑ふ
残暑吹き飛ぶ逆転の金メダル
8/12
迎へ火の前に世間はお盆気分
眠いのは暑気疲れでもよく食べ
8/13
差し入れのチョコとバナナや盆の入り
木陰にて一息信号待ちなから
8/14
盆公演小屋入り前に再確認
盆公演終へて夜汽車は夢の中
8/15
繁忙の盆に初めて丼作る
生け簀にはたまたま獲れた蝦蛄(シャコ)混じる
8/16
台風の接近大樹の安堵感
台風接近飲みの約束延期する
8/17
鳥居下に濡れ幤(しで)貼り付く台風一過
台風の置き土産小メジ大漁に
8/18
揶揄なのか応援なのかつく法師
伸びに伸び一輪だけ咲く夏の薔薇
夏草に秋草混じる中山道
中山道オフロードに咲く白き百合
夏草の匂ひこぼれて土手の道
低きから空へ飛び立つオニヤンマ
兜塚その緑蔭に暫し居る
大古墳上り蝉時雨下に聞く
後になり先になりトンボウ付いて飛ぶ
8/19
夏草に阻まれ道標よく見えず
点々と咲く白百合に案内され
夏の畑分け入って見る兜石
兜掛石見いれば蜻蛉掠め飛ぶ
やっと木陰緑のオゾン吸ひ尽くす
つく法師いよいよ深く分け入りて
8/20
盆帰省土産のきんつばほっこりし
台風の前釣りに行く武勇伝
8/21
訪れた街は賑はふ盆踊り
台風の接近荷造り入念に
8/22
台風が去り夕刻に買ひ物へ
リオ五輪閉会と台風で丸一日
8/23
五輪終はっちゃったね母とアイス食べる
逝く夏や冷やした煮物が美味い夜
8/24
公演も今日千秋楽夏が逝く
公演を終へやり残した夏過ごす
8/25
残暑の午後ゆっくりまぐろを味噌漬けに
逝く夏や解き放たれてダンスする
8/26
逝く夏を惜しみ繰り出す海の家
逝く夏や写真に残す海の碧
8/27
逝く夏やカラリと揚げるオニカサゴ
しゃきしゃきとゴボウサラダの季節来る
8/28
逝く夏や肩で風切り銀座行く
週明けの進路気になる迷走台風
8/29
逝く夏やタンスの引き出し整理する
台風の接近早めに買ひ物へ
8/30
台風で引き籠る日は歌練習
台風の影響の風受け歩く
8/31
先々でとんぼうが待つ中山道
つく法師急かされ歩く中山道
つく法師背中押されて旅を行く
街道を見下ろしカンナの並び咲く
青鷺が飛ぶ原鶯が原と呼ばれたり
蝉時雨過ぎ街道の村ひっそりと
梅花藻が咲く清流を犬と見る
再訪の宿場梅花藻咲く頃に
夏草に埋もれていく無人駅
一日一句 97に続く
https://asiandream0804.hatenablog.com/entry/2023/03/15/171844
一日一句 目次 1
https://asiandream0804.hatenablog.com/entry/2023/02/07/092704
一日一句 目次 2
https://asiandream0804.hatenablog.com/entry/2023/02/10/125624