2023-08-12から1日間の記事一覧
那須の黒ばねと云所に知人あれば、是より野越にかゝりて、直道をゆかんとす。遥に一村を見かけて行に雨降り日暮る。農夫一家に一夜を借りて明ればまた野中を行。そのに野飼の馬あり。草刈おのこになげきよれば、農夫といへどもさすがに情しらぬには非ず。い…
那須の黒羽という所に知人あれば」とて松尾芭蕉は「おくの細道」行脚の途次黒羽を訪れた。元禄二年四月三日のことである。途中那須野路にさしかかった折、草刈る男の馬を借りた。その跡慕う小姫を曽良は-かさねとは八重撫子の名成るべし-と呼んでいる。翁…
石碑の内容 「 黒羽の舘代淨法寺何がしの方に音信る。思いかけぬあるじの悦び、日夜語りつゞけて、其弟桃翠など云が、朝夕勤とぶらひ、自の家にも伴ひて、親属の方にもまねかれ、日をふるまゝに、日とひ郊外に逍遥して、犬追物の跡を一見し、那須の篠原をわ…