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東洋の香りを放つ夜の藤
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老鴬の音に目覚めけり病癒え
ワイルドに自生の藤の絡みけり
穴場といふ藤の寺にてくつろぎぬ
谷戸深く進めば老鴬迎へけり
藤訪ね行く先々で祈念せり
黄金週穴場はホテルのランチかな
混雑の源氏池にも白き藤
白藤を訪ねる寺に孔雀居て
木々の下エビネはひっそり誇らしく
行楽の最後は温泉黄金週
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藤房や休日出勤の我行く
出勤の我を見送る藤房や
鈴蘭に仕事の疲れを癒しけり
黄金週渋滞の車抜き歩く
鯉のぼり下ろして矢車カラカラと
悩みなど消す圧倒的緑かな
疲れなど忘れ一面緑かな
眼前の緑まばゆしみどりの日
新茶来る季節の巡りいとほしむ
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尾を垂るる昔ながらの鯉のぼり
咲ききれば香りも薄き藤の花
わがままなよその子しばきたしこどもの日
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いにしへの芝居は遅き春の夢
蔦若葉店全体を覆ひけり
帰り道夜の灯りは春の夢
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行く春や娘らと焼くジンギスカン
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散る藤や夜目に短き房残り
初鰹生と炙りのハーモニー
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行く春や赤札並ぶ店終ひ
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新緑に降る雨を突き電車行く
降る雨に緑深まる古都の朝
桃色の忘れ傘の席親父をり
新緑のかぶさりてをり観音像
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よちよちと赤き長靴若葉雨
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嵐過ぎ散る薔薇咲く薔薇香の中に
木々毎の色それぞれに山若葉
5/14
卯の花や暫く我が垣白くなり
卯の花や夜目にも白き我が垣根
5/15
飛び魚の歯ごたえありて深味あり
薫風や娘の冒険譚を聞く
何やらの木の花の匂ひ風薫る
手術する友気遣ひて風薫る
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新緑に埋もれる駅や戸の閉まる
遠くまで買ひ物に来て軽暑かな
買ひ物のついでの散歩軽暑かな
薫風やミシンかける手ふと止めて
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それぞれの庭美しき五月かな
新緑を突き抜け赤き電車来る
金網を突き抜け大輪の牡丹咲き
バラの花雨の滴を纏ひをり
雨粒を纏ひて薔薇の気高くて
雨粒を纏ひし薔薇の気高さよ
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満月のすっきり見えて五月かな
薔薇つぼみ日々膨らみて遂に散り
薔薇見るは開きて撮るはすぼむよし
往来の人行き過ぎて薔薇のあり
街頭に光る若葉のなほ青く
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