紗蘭広夢の俳句と街道歩き旅

二度目の東海道五十三次歩きと二度目の中山道六十九次歩きのブログを書いています。今、中断していますが、俳句も書いています。

一日一句 33

 
2011年

5/2
東洋の香りを放つ夜の藤

5/3
老鴬の音に目覚めけり病癒え

ワイルドに自生の藤の絡みけり

穴場といふ藤の寺にてくつろぎぬ

谷戸深く進めば老鴬迎へけり

藤訪ね行く先々で祈念せり

黄金週穴場はホテルのランチかな

混雑の源氏池にも白き藤

白藤を訪ねる寺に孔雀居て

木々の下エビネはひっそり誇らしく

行楽の最後は温泉黄金週

5/4
藤房や休日出勤の我行く

出勤の我を見送る藤房や

鈴蘭に仕事の疲れを癒しけり

黄金週渋滞の車抜き歩く

鯉のぼり下ろして矢車カラカラと

悩みなど消す圧倒的緑かな

疲れなど忘れ一面緑かな

眼前の緑まばゆしみどりの日

茶来る季節の巡りいとほしむ

5/5
尾を垂るる昔ながらの鯉のぼり

咲ききれば香りも薄き藤の花

わがままなよその子しばきたしこどもの日

5/6
いにしへの芝居は遅き春の夢

蔦若葉店全体を覆ひけり

帰り道夜の灯りは春の夢

5/7

5/8
行く春や娘らと焼くジンギスカン

5/9
散る藤や夜目に短き房残り

初鰹生と炙りのハーモニー

5/10
行く春や赤札並ぶ店終ひ

5/11
新緑に降る雨を突き電車行く

降る雨に緑深まる古都の朝

桃色の忘れ傘の席親父をり

新緑のかぶさりてをり観音像

5/12
よちよちと赤き長靴若葉雨

5/13
嵐過ぎ散る薔薇咲く薔薇香の中に

木々毎の色それぞれに山若葉

5/14
卯の花や暫く我が垣白くなり

卯の花や夜目にも白き我が垣根

5/15
飛び魚の歯ごたえありて深味あり

薫風や娘の冒険譚を聞く

何やらの木の花の匂ひ風薫る

手術する友気遣ひて風薫る

5/16
新緑に埋もれる駅や戸の閉まる

遠くまで買ひ物に来て軽暑かな

買ひ物のついでの散歩軽暑かな

薫風やミシンかける手ふと止めて

5/17
それぞれの庭美しき五月かな

新緑を突き抜け赤き電車来る

金網を突き抜け大輪の牡丹咲き

バラの花雨の滴を纏ひをり

雨粒を纏ひて薔薇の気高くて

雨粒を纏ひし薔薇の気高さよ

5/18
満月のすっきり見えて五月かな

薔薇つぼみ日々膨らみて遂に散り

薔薇見るは開きて撮るはすぼむよし

往来の人行き過ぎて薔薇のあり

街頭に光る若葉のなほ青く

 

 

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