紗蘭広夢の俳句と街道歩き旅

二度目の東海道五十三次歩きと二度目の中山道六十九次歩きのブログを書いています。今、中断していますが、俳句も書いています。

一日一句14

 

2010年

11/26
落ち葉踏む人々駅へ吸ひ込まれ

賀状売る人も見とれる茜空

みかん食べ旅行気分の横須賀線

幼子の甲高き声冬の駅

始発駅ホット缶コーヒーを飲む

始発駅ひとりアップルパイかじり

茜空幾層にもなり小春かな

副都心人混みネギ持ち歩く人

初冬や意外な結末芝居跳ね

芝居跳ね知る人と冬の街帰る

11/27
風邪ひきの我置き娘は紅葉狩り

何やらの黄葉青空につんと立ち

風邪の日や嫌になるほど空蒼く

病欠や床で賀状の案を練り

黄葉して山の大木見つけたり

咳の日や買ひ物に出て母と逢ふ

11/28
小春日や今日は着付けがうまくいき

仕事終え帰りは暗く日短し

週末やそろそろ紅葉が見頃とか

居酒屋で娘と湯豆腐つつく夜

包み開けハコフグどっしり味噌なぶり

ハコフグ武装を取りて身の美味し

初冬や居酒屋帰りの月低し

11/29
古社銀杏黄葉に埋もれて

朝の陽や銀杏輝く社あり

川静か逆さに映る紅葉かな

雲切れてぬっと白富士現はるる

洗顔もそこそこ飛び出す冬の朝

自転車のライトを点し日短し

顔見えず挨拶交はす日短し

11/30
明星を眺め初冬の旅に出る

思ひ立ち名残の紅葉見に古都へ


自転車で巡る名残の紅葉かな

一面の銀杏落ち葉に立つ紅葉

自転車を駆って紅葉の寺めぐる

浮かぶ葉を見に鯉たちも紅葉狩り

紅葉見る自転車置き場を探しつつ

自転車で京の紅葉を探し行く

名残とは言へど京都の紅葉狩り

濃き薄き楓紅葉の綾錦

紅葉狩りおうすの共は阿闍利餅

頼まれて他人ばかり撮る紅葉狩り

京一といふ紅葉かな永観堂

ばんざいの店お通しに蕪も出て

京しめじ天婦羅となりつんと立ち

えび芋のほっこり煮えて京の味

南禅寺門前湯豆腐賑わひて

湯豆腐の締めはお出汁を飲んでみる

ばんざいも初冬の味酒進む

常連の雲子ポン酢ハーフ羨まし

貸自転車のライト気になり日短し

また来たき店ひとつ増え京の冬

珍しき鰉塩焼香ばしく

紅葉の寺拝観に行列す

本堂に紅葉一枚皆踏まず

文化財より紅葉に目が行きて

紅葉撮る人人を撮るひとさまざまで

京の冬ばんざいの締めはぶぶ漬け

冬の旅優しく響く京言葉

フォルダーは紅葉でいっぱい冬の旅

ぶぶ漬けの後味宿まで冬の京

店の名の芋焼酎や京の冬

霜月も三十日京都で飲んでをり

作句より撮影に夢中京紅葉

 

 

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一日一句 目次 2
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