紗蘭広夢の俳句と街道歩き旅

二度目の東海道五十三次歩きと二度目の中山道六十九次歩きのブログを書いています。今、中断していますが、俳句も書いています。

一日一句11

 

2010年

 

11/08
初冬や箒擦れる音固く

大根を煮る匂ひ朝の元気かな

小春日や今朝は富士も見えぬ海

砂を踏み初冬の浜の散歩かな

小春日や波音優し砂を踏む

波静か小春日の朝砂を踏む

我が跡を波が消し行く小春日や

足跡を波が消し行く小春日や

砂浜の足跡たどる小春日や

初冬や静かな波も時に鳴る

波静か時には鳴る波初冬や

小春日の浜に仔犬の散歩かな

犬二匹つかず離れず小春日や

小春日や波打ち際の水澄みて

小春日や貝殻拾ひ遠く来て

小春日や浜を駈け来る生徒たち

小春日や列に遅れて走る子も

走る人散歩する人小春日や

走る列過ぎて鳴る波小春日や

小春日や走る一団過ぎて波

小春日や浜走る列遅れる子

小春日や通勤の人も浜歩く

初冬や現代の浮世絵の波

現代の浮世絵の海小春日や

初冬や挨拶交はし走る朝

通勤の自転車の列初冬や

初冬や散歩する人急ぐ人

急ぐ人に道を譲りて小春日や

初冬や朝餉の匂ひそちこちに

初冬や通勤の列逆行し

小春日や上着手に持ち散歩かな

コンビニのレジの紅葉の枝邪魔で

小春日や街のベンチで時間待ち

時間までベンチで過ごす小春日や

小春日や街角社交の老女たち


11/9
バス車窓舞ひ飛ぶ落ち葉を追ひ越して

舞ひ踊る落ち葉渦巻き沈みけり

初冬や富士見えぬ海波高し

満潮の河口たっぷり小春日や

風向きの急に変はりて木枯らしに

初冬の空薄紅にそまりゆく

11/10
柿の実の残りて初冬の空青し

初冬の空どこまでも澄みわたり

初冬の空の蒼さに溶けて行き

用ありて序での買ひ物冬支度

一仕事終えて初冬の星光る


11/11
快晴の窓暗くなり日短し

初冬や肩凝り気候のせいにして

初冬や喉のいがいが治らずに

照明の紐を引っ張り日短し

家々の灯点し始めて日短し


11/12
やり終えた人の涙や文化祭

芝居観て思ひめぐらし落ち葉踏む

芝居はね初冬の空の月と星

初冬や今観た芝居にまだ酔ひて

11/13
稽古場の窓鏡となり日短し

日短し迷路のごとき裏の道

さらに細く暗き裏道日短し

11/14
初冬やVIP来たりてものものし

街灯に山茶花白く浮き上がり

11/15
千歳飴引き摺り手引かれ紅いべべ

七五三双子か五歳三歳か

七五三石段上がる白い足袋

七五三舞妓になりきるすまし顔

七五三髪は夜まで結ったまま

七五三帰りは靴に履き替へる

いつまでも想ひ出褪せず七五三

こんなことあんなことあり七五三

 

 

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一日一句 目次 2
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