紗蘭広夢の俳句と街道歩き旅

二度目の東海道五十三次歩きと二度目の中山道六十九次歩きのブログを書いています。今、中断していますが、俳句も書いています。

一日一句 87

 

2015年11月

11/1
新蕎麦をきかれ絶対美味いと言ふ

パトリック・チャン今年はいいと思ふ秋

11/2
閉店の人と別れる秋深し

秋鯖の干物つやつや脂のり

11/3
つがるさんちに孔雀訪問文化の日

落ち葉踏みキリンゆっくり木の葉食む

11/4
飴色の漬け丼となり紅葉鯛

薄闇で洗濯しまふ日短し

11/5
通勤も秋の装いそれぞれに

しっとりと装ひて行く秋日傘

11/6
ゆっくりと酒進む鱸のアラほじる

11/7
踊り切りライトを浴びる秋深し

ダンス公演跳ねてキノコのサラダ買ふ

11/8
秋深し仲間の笑顔がビタミン剤

秋の夜のテレビの声の遠のきて

11/9
鞄から覗く秋草揺れてをり

閉店後のカウンターに柿ひとつ

11/10
秋深し魚をさばく中学生

草笛の故郷の空や秋深し

11/11
新しき仲間と出会ふ秋の夜

落葉這ふ音を恐れる夜の道

11/12
秋深し稲荷もロールも作る子ら

霜月はやはり寒いと改めて

11/13
秋深し赤紙持って並ぶ列

腕組んで老夫婦行く初冬かな

親切が嬉しい風邪薬買ったレジ

11/14
紫いも餃子分け合ふ秋深し

時の鐘傘々見上げる時雨かな

11/15
養蜂の帽子気になる初冬かな

七五三おのこは五歳すくと立つ

11/16
小春日やネイビーバーガーに並ぶ列

落ち葉舞ふ道を仕事へと急ぐ

11/17
初冬や新人さんが今日入る

二の酉や仕事帰りに遠見する

11/18
逝く秋や仕事帰りにゴスペルへ

土俵下和服姿の秋扇子

11/19
薄野や仙石原をバスは行く

逝く秋や温泉の来ぬ温泉地

11/20
近道は紅葉の階段上り詰め

歩き来て紅葉の下の露天風呂

 

自然薯のとろろ味深く土臭く

濡れ紅葉踏んで錦の坂下る

秋草の歩道にかかるを避けて行く

晩秋の雨仙石原は狐色

11/21
脂のる一押しソーダカツオかな

仕事終へ空いっぱいのうろこ雲

11/22
晩秋やお付きの女官の艶姿

終電前別れを惜しむ初冬かな

11/23
一日中仕事の勤労感謝の日

四切れずつかぼちゃ煮付けをパックする

11/24
小春日や親子で写真撮る港

小春日や老母と午後のお茶を飲む

11/25
氷雨降る観光客に試食配る

長崎のカステラいただく氷雨の夜

11/26
天板を洗ひ乾かす初冬かな

見上げれば真ん丸な月初冬かな

11/27
強風にペダル踏みしめ初冬かな

 

バスを待つ海辺の冷たい風の中

11/28
秋鯵に秋鯖宗太脂のり

桜落葉踏みしめて行く土曜午後

11/29
教会でゴスペル歌ふ降臨節

アメリカ人もたこ焼き喜ぶ三の酉

11/30
池面にも黄葉映る銀杏かな

ひっそりと銀杏の境内黄葉踏む

妖怪と旅立つ漫画家秋も逝く


一日一句 88に続く

https://asiandream0804.hatenablog.com/entry/2023/02/26/144034

 

一日一句 目次 1
https://asiandream0804.hatenablog.com/entry/2023/02/07/092704

一日一句 目次 2
https://asiandream0804.hatenablog.com/entry/2023/02/10/125624

 

一日一句 目次の目次
https://asiandream0804.hatenablog.com/entry/2023/05/29/195328