紗蘭広夢の俳句と街道歩き旅

二度目の東海道五十三次歩きと二度目の中山道六十九次歩きのブログを書いています。今、中断していますが、俳句も書いています。

旅籠 松坂屋 (はたご まつざかや)


案内板
「 旅籠 松坂屋 (はたご まつざかや)

 甲州街道沿いにある金沢宿は、江戸時代~明治四〇年頃まで、薪を買い、自分で食事の支度をする安価な木賃宿(きちんやど)と、朝晩の食事が出る旅籠(はたご)が十七軒くらいあり、宿場町として栄えておりました。
 松坂屋は、宿場一番の旅籠(旅館)として繁盛し、当時は博打も盛んに行われ、博打場や逃げ道(地下通路)もあったと言われております。先祖は、伊勢の松坂より金沢宿へ来た人と伝えられ、江戸時代に出版された旅行案内書に『松坂屋は女・子供でも安心しておまりいただけます』と宣伝文が載せられていました。
 明治二〇年、二階の座敷に泊っていた薬の行商人が煙草盆を盗もうとして中の灰を布団の中に捨て、それが夜中になって出火し、火事騒ぎに乗じて階下の帳場から金銭を盗んで逃亡しました。建物はその時全焼しましたが、その後再建されたのが現在の建物です。江戸時代後期の旅籠屋の様式を伝えている貴重な建造物であり、昭和の初期まで営業を続けていました。

  平成二十九年十一月吉日
    金沢地区コミュニティ運営協議会
    金沢の未来を考える研究会   」