花まつりと白いゾウ
「ii-nippon.net 日本の風」より
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※お誕生にまつわる伝説
その昔、ヒマラヤ山脈の麓にシャーキャ族(釈迦族)という小さな部族があり、王はシュッドーダナー王(浄飯王・じょうぼんおう)、王妃はマーヤー夫人(摩耶夫人・まやぶにん)といいました。
この二人が、お釈迦様の父親と母親です。
二人の間には、なかなかお世継ぎができず、王は心を痛めておられました。
ある日、マーヤー夫人が宮殿で横になっていると、天上から六牙の白象が降りてきて右脇より胎内に入っていく夢を見ます。
目覚めた時、大いなる命を授かったに違いないと、ご懐妊を悟られたそうです。
また、夢の話を聞いた国中の人々は、「白い象とはめでたい事だ。きっと王子様が生まれるお告げに違いない。」と喜びました。
※象は、古くから神聖な生き物とされています。白もまた、どんなものにも染まっていない最も神聖な物を指す色です。
夢は夢で終わることはなく、マーヤー夫人のお腹には、本当に子供が宿りました。
春になり、あたり一面に花が咲く頃、マーヤー夫人は出産のために里帰りの旅路に付きます。
その途中、ルンビニの花園で休憩を取りました。
池のほとりを散歩していたマーヤー夫人が、真っ赤な花を咲き誇らせたアソーカの樹(無憂樹・むゆうじゅ)の一枝を折ろうとして手を伸ばした時、脇の下から一人の男の子が産まれました。
王子の誕生です。
王子は、生まれるとすぐ東に向かって七歩あゆむと、右手で天を左手で地を指して「天下天上てんかてんじょう、唯我独尊ゆいがどくそん」と宣言したのです。
※天上天下、唯我独尊:この世に自分という存在は代わりがなく、自分一人しかいないから尊いという意味ですが、その解釈はさまざまあります。
それだけではありません。
誕生の瞬間、天から9匹の竜が現れて甘露の雨を降らせ、神々は天のかさをかざし曼陀羅華まんだらけを降らせたと言われています。
※曼陀羅華:仏が現われたり説法したりする時などに、天から降りてくる美しく香りも良い、見る人の心を楽しませるという花
この時に降りそそいだ甘露の雨は、王子の産湯となりました。
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