案内板
「 長野県天然記念物
贄川のトチ
昭和四十四年七月三日指定
トチは、トチノキ科・トチノキ属でヨーロッパ・北米・東南アジア等に約二十四首が知られているが、日本ではただ一種の落葉高木である。
北海道から九州北部まで広く分布し、山野に自生する。特に東北地方に多いが、本県においても古来夏緑広葉樹の代表樹である。また実は、あくぬきをして『トチモチ』を作ることでも知られる。
この樹は、樹令約千年と推定され根もとの周囲が十メートル以上あり、コブの上(約一メートル上)では、八・六メートルの巨木であり、県内に現存するトチの木として最大でのものである。
また、コブの上約三メートルから太枝が分かれ、さらに五本に分岐して茂り、枝張りも、樹姿、樹幹の美しさにおいても県下第一のものであろう。
地元では、樹木の下にまつられる小祠(ほこら)(ウエンジン様)にちなみ、『ウエンジンサマのトチの木』と呼び昔から大切にしているものである。
長野県教育委員会
天然記念物に指定されている中信地方の樹 (昭和62年3月現在)
県天然記念物
大塩のイヌサクラ...北安曇郡美麻村
(S.37.7.12 指定)
梓川のモミ.........南安曇郡梓川村
(S.37.9.27 指定)
乳房イチョウ.......南筑摩郡生坂村
(S.40.4.30 指定)
石原白山社のスギ...北安曇郡小谷村
(S.40.4.30 指定)
千手のイチョウ.....松本市入山辺
(S.40.7.29 指定)
妻籠のキンモクセイ..木曽郡南木曽町
(S.43.3.21 指定)
大野田のフジキ......南安曇郡安曇村
(S.43.5.16 指定)
贄川のトチ..........木曽郡楢川村
(S.44.7.3 指定)
(指定年月日順) 」