皎月原は旧中山道沿い、小田井宿と岩村田宿の中間、小田井宿よりの草原で、古くから指定地に関する古記録や伝説があって、中山道に於ける著名な名勝として知られている。伝説によれば用明天皇(586年)皎月という官女が、おとがめを受けて佐久郡の平尾へ流されてきた。いつも白馬を愛していた官女はある時、小田井の原へ馬を引き出して乗りまわしていた。ところが天の竜馬だった白馬は、空へかけ上がり、東西南北をかけまわった後、平尾山の頂上に立ちどまった。そこで官女は『吾は唯人ではない。白山大権現だ』と云って光を放って岩の中へ入ってしまった。その後女官は白山大権現と云うようになり、時々小田井の原へ来て馬の輪乗りをし、其跡には草が生えなかったので、其処を皎月の輪と呼ぶ様になったと伝えられている。
只『村上家伝』の村上其国の伝記には全くの異説が載っている。