案内板
「 鴻巣市指定民俗資料
平成三年八月二十一日指定
権八地蔵とその物語
権八は、姓を平井といい鳥取藩士であったが、同僚を殺害したため脱藩し江戸へ逃れた。その途中金に困り、久下の長土手で絹商人を殺害し大金を奪い取った。あたりを見廻すと地蔵様を祀った祠があった。
良心が咎め己の罪の深さに、いくばくかの賽銭をあげて「今、私が犯した悪行を見ていたようでずが、どうか見逃してください。また、誰にも言わないでください。」と手を合わせると、地蔵が「吾れは言わぬが汝言うな。」と口をきいたと伝えられている。
この話から、この地蔵は「物言い地蔵」と呼ばれるようになった。権八はその後捕らえられ、延宝八年(延宝七年とも)に鈴ヶ森の刑場(東京都品川区南大井)で磔の刑に処された。
参考:延宝八年(一六八〇)